2024年11月27日水曜日

講義資料をNotionで書いてみた

 プログラミング応用という名前の講義を受け持っており, そこで組合せ最適化のベーシックな話題とそのPythonでの実装を教えているのですが, 資料をNotionで書いてみました.



ちなみに授業の内容としては, アルゴリズムを教えて演習課題として競技プログラミングのような問題を出題しています. 例えば無向グラフの四角形の有無を, 頂点数 $n$ に対して $O(n^2)$ 時間で判定せよという問題を難問枠で出題しています. これらの問題をipynbファイルで作成し, 学生には google colab などでPythonで実装してもらうという形をとっています. 見た目としてはこんな感じです:



多くの講義では, 各回のLaTeXで作成した講義資料を別々のpdfにして配布するというスタイルをとっています. しかしながらpdfだと

  • 他のpdfファイルへのリンクが貼れない (全ての講義資料をまとめて作り, 各回ごとに分割して配布するというやり方もあるが, それだと最初に全て作るのがとても大変)
  • この部分のように証明の表示/非表示の切り替えができない (長い証明は一旦読み飛ばし, 資料の大枠を最初に俯瞰したい場合が多々ある)
  • アルゴリズムのデモを動画として表示できない
  • なんとなくデザインがイケてない (おい)
といった点が個人的に気に入りませんでした. そこで

見た目も良い感じで個人的にはかなり気に入っているのですが, 資料作成を通じて感じたメリット/デメリットを連ねておきます. 講義資料作成の参考になればと思います.

Notionとは?

簡単に言うとイケてる資料をweb上で作成できるサービスです. 私は以前から勉強した内容や論文を書く時のメモに使っています. 実際に講義資料を見てもらえると分かりやすいと思います.

メリットとしては

  1. 全体的にイケてる
  2. 数式が簡単に埋め込める. LaTeXの記法がそのまま使えるし, \begin{align*}...\end{align*}とかもそのまま使える.
  3. コールアウトと呼ばれる装飾を使えば, 定理などの主張を簡単に書ける
  4. ブロック毎に文を管理しており, それぞれのブロックへのリンクが簡単に貼れるので, 「フォード・ファルカーソン法では実行時間が遅くなるが存在したが...」といった文が書けます.
  5. トグルというブロックを使うことで, この部分のように表示のオン/オフを切り替えることができる.
  6. 図や動画がドラッグ&ドロップで簡単に貼れる.
  7. draw.ioからこんな感じで, 自信のPCに保存することなく直接ページに図を埋め込める

このように見ると非常に素晴らしい選択肢のように思えるのですが, 一方でいくつか考えなければならない点をかかえています:
  1. そもそもNotionが落ちたら資料が見れなくなる
  2. ネットに公開する必要があるので, 公開できない内容は書けない
  3. LaTeXのnewcommandとかができない (個人的にこれはかなり痛い)
  4. VSCodeで執筆できないのでスニペットとかが使えない (Notionページのビューワーはあるらしい)
講義資料を作る最初の1,2週間は特に気にならなかったのですが, ずっとやってると上記の3と4はかなり辛くなってきました.

あとやはりNotionは重いらしいので, GitHub Pages + Foam とかも試してみようかなと思っています.

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