「位相空間」の定義と「可測空間」の定義は意外と似ているので対比して紹介しようと思います. 参考文献として Real and Complex Analysis (著: Walter Rudin) を挙げます.
以下, 位相空間に関する諸定義をT, 可測空間に関する定義をMと表すこととします.
T: 非空な集合Xに対し, O ⊆ 2^X が以下の条件を満たすとき, これら二つの組 (X, O) を「位相空間」と呼ぶ.
(1): ∅, X ∈ O.
(2): A1, ..., An ∈ O ならば (Aiの有限個の積) ∈ O.
(3): 各λ∈Λに対し, A_λ ∈ O ならば, U A_λ ∈ O
M: 非空な集合Xに対し, F ⊆ 2^X が以下の条件を満たすとき, これら二つの組 (X, F) を「可測空間」と呼ぶ.
(1): X ∈ F.
(2): A ∈ O ならば (Aの補集合) ∈ F.
(3): A1, ..., An ∈ O ならば (Aiの有限個の和) ∈ F.
位相空間 | (X,O) | 可測空間 | (X,F) | |
位相 | O | σ-代数 | F | |
開集合 | Oの要素 | 可測集合 | Fの要素 | |
連続写像 | 開集合の逆像が開集合 | 可測関数 | 開集合の逆像が可測集合 |
ここで, 可測関数とは可測空間から位相空間への写像のうち, 表中の性質を満たすもののことを言います.
このように見てくるとなんかスッキリした形になりますね.
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